自閉的だが自閉症ではない広汎性発達障害 原 仁(はら ひとし) 神奈川県/横浜市中部地域療育センター所長 小児科医 前回話題にした、本当に広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder;PDD)が増加しているか否かは今後の研究の成果を待つことにして、「自閉症かな?」と思われる子どもたちの診断に関して、私見を述べてみたい。 特定不能の広汎性発達障害 この用語は、米国精神医学会の診断基準(通称DSM)に記載されている自閉的な発達障害を意味する。自閉症(あるいは自閉性障害)の診断基準に適合しないもので、他のPDD(アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害、レット症候群など)ではないものを特定不能の広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder Not Otherwise Specified;PDD-NOS)と