野田佳彦新首相は、前回衆院選の政権公約(マニフェスト)の理念は堅持する一方、民主、自民、公明3党で主要政策見直しを確認した3党合意を尊重する意向も示す。見直しの対象となる高校授業料無償化、高速道路無料化、農家の戸別所得補償の行方が気になる人も少なくない。【喜浦遊、袴田貴行】 ◇高校授業料無償化 青森市の理容店経営、川越清人さん(47)は公立高校無償化で「助かった」と話す。今春、公立高を卒業した長女は3年生時の学費が無償。不況で売り上げが落ち、苦しい家計に、年間約12万円が浮いたのは大きかった。中学3年生の長男が公立高進学を目指しており、妻留美子さん(44)は「子どもへの投資を継続してほしい」と話す。 私立高校の授業料も助成で負担が軽減されている。長男が私立高に通う高知市の女性(48)は「地域経済は疲弊して給料が下がる中、ありがたい」と話すが、「今は日本の危機。助成がなくなっても仕方ない」と