人間はチンパンジーやテナガザルなどと比べると幼年期が2倍ほど長く、成長に時間が掛かる。これは、子供の脳はとても多くのエネルギーを消費するため、体の他の部位からブドウ糖を奪い取っているためだという(AAAS、PNAS Online、Slashdot)。 ブドウ糖摂取と身体発育の関連性を指摘する「expensive tissue」仮説を検証した研究によると、脳が多くのエネルギーを要求するとき、身体発育が遅くなることが明らかになったという。研究では、年齢による脳のブドウ糖摂取の傾向を見るため1987年に収集された36人のPETスキャンの研究と国立衛生研究所のデータも併用して利用した。その結果、とくに4.5~5歳の期間は、脳のエネルギー需要が高く、成長を遅れさせることによってそのエネルギーを補っていることが判明したとしている。