夏本番。暑さと長時間のきつい仕事で疲れがたまると、脳や心臓の病気につながる。ほっておけば仕事のミス、健康障害を引き起こす。早めに疲労のサインを見つけて対処することが大切だ。病気や事故の防止のため、「疲労を測る」試みとして、話す声から脳の「生き生き度」を判定する研究が進んでいる。 (栃尾敏) 笑顔で説明するのは、独立行政法人・電子航法研究所(東京都調布市)上席研究員で理学博士の塩見格一さん。塩見さんが開発した疲労検知システムを使い、声で脳の活性度を測ってもらったら、「五〇〇プラスマイナス一〇〇」の“安全圏”に収まった。この数値も塩見さんが作ったCEM(脳活性度指数)という指標だ。 測定方法は簡単だ。画面上の「疲労感」「活気や気力」「就寝・起床時間」「業務の開始・終了時間」などの質問項目にパネルタッチで回答し、データを入力。マイクに向かって適当な言葉をしゃべったり、表示される短い文章を読み上げ