独自のルールを定めようとした東大 東京大学で約8000人いる非常勤教職員の大半が雇い止めの危機にあるーー全国の国立大学法人で働く約10万人の非常勤教職員の雇用にも影響を及ぼす可能性があるこの「大学労働問題」を、筆者はこれまでも取り上げてきた。(東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52605) 2013年4月1日に施行された改正労働契約法によって、同じ職場で5年を超えて働く非正規労働者は、2018年4月以降、「無期雇用」に転換を申し込む権利が得られるようになった。ところが、東京大学は法の趣旨に反して「東大ルール」と呼ばれる独自の雇用契約を設定し、非常勤教職員を5年上限で「雇い止め」しようとしていたのだ。 これに対して東京大学教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合は、「東大ルール」が違法なものであること