3100万年のユニークな進化史をもつレッサーパンダは、現在、絶滅の危機に瀕している。(PHOTOGRAPH BY GERRY ELLIS, MINDEN PICTURES, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 生物の絶滅は例外ではなく原則である、としばしば言われる。結局のところ、これまでに地球上に存在した種の99.9%が絶滅しているのだから、ある意味、その言葉は正しい。地球上の生命はこれまでに5回の大量絶滅を生き抜いてきた。大量絶滅とは比較的短い期間に多数の種が絶滅する現象であり、生命はそのたびにやがては回復してきた。 ここで、「やがては」という言葉が入っていることに注意されたい。多くの科学者は、私たちが現在6回目の大量絶滅の真っ只中にいて、平常時の100倍以上のペースで絶滅が起きていると言う。そして、2018年10月15日付けの学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」