6600万年前の白亜紀の終わりに、直径10キロ級の巨大隕石がメキシコのユカタン半島に落ちた。 その衝突で放出されたエネルギーは、TNT火薬10兆トン分だとよく表現されている。いわゆる核兵器、原子爆弾はTNT火薬数万トン、水素爆弾でも100万トンのオーダーで、文字通り桁が違う。兵器と比較してもあまりよくわからないというならば、火力発電所用の重油1兆トンを一気に燃やしたのと同じくらいとも言えるようだけど、イメージがしにくいのには変わりない。いずれにしても、ものすごいエネルギーだということには変わりない。 隕石が地表に衝突した直後の影響として大きいのは、まず、熱だ。落下を目撃できる範囲内の可燃物は、熱放射で自然発火し焼き尽くされたとされる。 その外側でも、時速1000キロを超える超音速の熱風が吹き抜け、衝突によって溶融して巻き上げられた岩屑が赤熱したまま降り注ぎ、マグニチュード10相当の巨大地震