東京新聞特報面に掲載された記事を紙面記事から転載します。 ◆2016年9月10日 東京新聞特報面 http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2016091002000156.html ー鬼怒川決壊きょう1年 突然消えた堤防強化策 国交省OB「ダム推進のため」ー 昨年九月の関東・東北水害から十日で一年になる。茨城県常総市では住宅五千棟以上が全半壊した。被害を広げたのは、鬼怒川の堤防決壊だった。「想定外の雨」が原因とされているが、「ダム偏重の河川対策」の不備を指摘する専門家は少なくない。実は国も一九九〇年代に、想定以上の雨に備えた堤防強化対策に着手していたからだ。だが、その対策はあるとき突然撤回されている。鬼怒川決壊が残した教訓とは-。 (宮本隆康、白名正和) 「一般的には堤防を水が越えても、家は浸水するだけでめったに壊れない。逃げる時間も