光学機器大手「ニコン」(東京)の工場に派遣されていた上段(うえんだん)勇士さん(当時23歳)が自殺したのは過重な業務が原因だったとして、母親ののり子さん(62)が、同社と派遣元の業務請負会社「アテスト」(旧ネクスター)に計約1億4500万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は両社の上告を退ける決定をした。 決定は9月30日付。過労による自殺と認定し両社に計約7000万円の賠償を命じた2審・東京高裁判決が確定した。 2審判決によると、勇士さんは1997年10月にネクスターに入社し、埼玉県熊谷市のニコン工場に派遣されて半導体製造装置の検査業務に従事したが、うつ病になり、99年3月に自殺した。