ウクライナに侵攻したロシアが経済制裁の対抗措置として自国通貨ルーブル建てで対外債務を返済する方針を打ち出し、金融市場に混乱を広げている。返済に窮した側が一方的な条件変更を押し付けようとした形で、債権者が受け入れずデフォルト(債務不履行)になる可能性が高い。ロシアは旧ソ連時代にも国債の返済を拒否したあしき前例があり、国際社会での信用を失い中長期的に金融市場から排斥されるとの指摘も出ている。 メガバンクの関係者は「貸し出した通貨以外での返済は想定しておらず、契約文書を精査する必要がある」と困惑を隠せない。 プーチン大統領が5日に署名した大統領令では、日米欧などの「非友好国」に対する債務返済は、ロシア中央銀行が定めた為替レートに沿ってルーブルで支払えば履行したとみなすとした。資産凍結などの制裁で外貨が不足したことに対する〝意趣返し〟だ。 だが、債権者にすれば、本来支払われる外貨の代わりにこの1カ
