「濡れ場」に立ちあうインティマシー・コーディネーターという仕事。#MeTooのあとで。テレビと映画の製作現場も変わるとき 「役者なら、“そのくらい”できるだろ?」の “そのくらい” とは、どのくらいか。 ハリウッドで「#MeToo」運動が起きてから約2年。セックスシーンをはじめ、身体の接触のあるシーンを製作する際に、リハーサルや撮影に立ち合い、役者の身体的・精神的安全を確保する「インティマシー・コーディネーター」という仕事へのニーズが高まっている。 二人の主演の発言。それは、“正しい”撮影現場だったのか? 本題に入る前に、『アデル、ブルーは熱い色』という、2013年にカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞した作品について振り返りたい。パルム・ドール史上初めて、監督のほか、若手の主演女優の二人にも賞が贈られた同作品。その演技もさることながら、きわめて写実的かつ10分間と長い女性同士の