6月24日、日曜日。さいたまスーパーアリーナで開かれたAKB48の「握手会」イベントには黒山の人だかりができていた。 会場を訪れた大西良典さん(28歳)はイベント参加券付きの最新シングル「真夏のSounds good!」を計8枚購入した。うち4枚は、特典として握手会の参加券が付いた「劇場盤」。残りは、メンバーの人気投票の参加券が付いた「数量限定生産盤」だ。中身のほぼ変わらない商品をいくつも購入するのは当然、特典の「握手券」や「投票券」を手に入れるためだ。 大西さんによれば「自分はライトなファンで、よりコアなファンは数十枚、100枚単位で買う人もいる」という。どんな分野でもお金に糸目をつけないコアなファンはいるものだが、AKB48のCDが特異な商品になっているのは、握手券といった特典の価値が、売り物であるはずのCD本体の価値を明らかに上回っていることだ。それは中古品の価格を見ればすぐ分かる。