東京電力は27日、福島第一原子力発電所の建屋地下などにたまった高濃度汚染水を浄化処理し、原子炉の冷却に再利用する「循環注水冷却システム」を同日午後にも運転を開始すると発表した。 運転が順調にいけば、事故収束に向け大きな一歩となる。 同システムは、汚染水を〈1〉油分離〈2〉セシウム吸着〈3〉セシウムなど沈殿・除去〈4〉淡水化――の4段階で浄化処理。処理した水をタンクに貯蔵した後、原子炉に注入する。浄化処理装置は17日にいったん運転を開始したが、その後トラブルが続いていた。課題だった放射性セシウムの濃度を10万分の1以下に低減することに成功。これまでの試運転などで建屋などにたまった高濃度汚染水約11万トンのうち、約6000トンを処理した。