計画停電や福島第一原発の放射能漏れ事故など、東日本大震災は東北地方や北関東だけでなく首都圏も巻き込み、企業の事業活動に甚大な損害をもたらした。特に企業を悩ませたのが計画停電だった。多くの企業が事業計画の練り直しを迫られた。ここまでの事態を想定して事業継続計画(BCP)を立てていた企業は恐らく皆無だろう。とはいえ、策定していたBCPが役に立たなかったのかというとそうではない。ヤマト運輸はBCPという「備え」を生かし、影響を最小限に食い止めた。 3月17日午後6時20分頃、神奈川県愛川町にあるヤマト運輸の中間物流拠点「厚木ベース」への電力供給が途絶えた。福島第一原発の事故などを受けて、東京電力が3月14日から実施していた計画停電の対象地域となったのだ。 この時間帯は荷物の仕分け作業がピークを迎える。このため電力供給が滞ってしまうと、作業の大幅な遅延を招きかねない。大規模な遅配が起きれば、顧客か