血液型をテーマにしたテレビ番組をめぐり、放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会が各放送局に行った「配慮」を求める要望で名誉を傷つけられたとして、血液型人間学研究家の岡野誠氏(52)が8日、同委員会を相手取り、要望の取り下げと慰謝料20万円などを求める訴えを東京地裁に起こした。 訴状などによると、同委員会は平成16年、各放送局に向けた「『血液型を扱う番組』に対する要望」を発表。科学的な根拠が証明されていない血液型に対する「考え方や見方」で人を分類するのは、社会的差別に通じる危険があると指摘。血液型で性格が決まるといった見方を助長しないよう求めた。 この要望で各局が放送を自粛し、岡野氏はメディアへの出演機会を失ったほか、「血液型人間学はいいかげんなもの」というレッテルを張られ、精神的苦痛を受けたとしている。 岡野氏は「血液型人間学は占いまがいのものではなく、学術的なものだ」と話した。