人工ふ化で生まれ、体長20センチまでに育ったウナギ。今回の親となったものかどうかは不明(水産総合研究センター提供) 水産庁などの委託でウナギ養殖の技術開発をしている水産総合研究センターは8日、人工的に孵化(ふか)させたニホンウナギから次世代のウナギを育てる「完全養殖」のサイクルをつくることに成功したと発表した。ウナギ養殖は天然の稚魚を捕らえて育てる方法しかなく、完全養殖の成功は世界初だという。 センターによると、天然ウナギから採った卵の孵化には、1970年代にすでに成功していた。だが、人工的に孵化させたウナギを卵が産める親魚にまで成長させることが難しかったという。 センターはウナギに適したエサの改良などで、孵化から2〜5年間育てることに成功。これらのウナギから採れた約25万粒の受精卵が3月に孵化し、今月2日に稚魚になる前の段階である仔魚(こぎよ)がエサを食べていることを確認した。現在、10