また、スペースXは今年5月、米連邦通信委員会(FCC)に、4000機の通信衛星コンステレーション構築の前段階として、試験衛星2機を打ち上げるため、電波帯域の使用申請を提出した。これによると、試験衛星は重量65kg。2016年に高度625km、軌道傾斜角86.5度の円軌道に打ち上げて1年程度の通信試験を行うとしている。 より強い電波を地上に落とす これらの情報から、ワンウェブとスペースXの意図を推測してみよう。両者は事前に共同で事業を行う可能性を模索し、交渉していた。ということはシステムの違いには両者の考え方の相違、決裂の原因が現れているはずである。 まず、最もはっきりしている相違は衛星の数だ。共にKuバンドの電波を使用し、高度1200km前後の軌道を使用する。つまり、同じ規模の衛星ならば、使用帯域にもよるが通信速度はほぼ同じになると見てよい。ところが、衛星数はスペースXのほうが4倍以上多い