【瀋陽=竹内誠一郎】来年春に引退する中国の温家宝(ウェンジアバオ)首相は20日からのバンコク訪問中、地元華僑らの前であいさつし、「数か月後には引退し、隠居する。人々は私のことを忘れてほしい」と語った。中国メディアが22日、報じた。 温氏は「経済の発展や強大な科学技術力だけでは世界からの尊敬は勝ち取れない」と発言。「民主的な法制度の建設推進」「公正な社会の実現」「国民の自由と権利の確保」などの課題を挙げ、「多くのことがやり残された」と無念さもにじませた。 米紙ニューヨーク・タイムズが報じた家族の巨額蓄財疑惑に対する説明責任を果たしていないとの批判もある温氏は、春秋戦国時代の楚の詩人、屈原の「真理の追求のためなら何度死んでも悔いはない」「自分の潔白のためなら、たとえ死んでも誠実であり正直でいる」との句を引用した。楚王への再三の意見が受け入れられず、失意の中で自殺した「愛国の詩人」の詩を借り、間