これで、長いトンネルは抜け出せるかもしれない。 12月6日、ベネズエラでは2010年以来、5年ぶりの国会議員選挙が開催された。2013年3月に死去したウーゴ・チャベス元大統領、その後継者として指名されたニコラス・マドゥロ大統領の任期は2019年までだが、野党連合MUD(民主統一テーブル)の獲得議席次第で現政権の"暴走"に一定の歯止めをかけることが可能になる。その重要性を国民の多くが認識していたのだろう。投票率は約75%と前回選挙を大幅に上回った。 それでは結果はどうだったかといえば、中道右派のMUDは先住民枠を含め112議席と、167議席の3分の2を占める地滑り的な大勝を実現した。与党PSUV(ベネズエラ統一社会党)側に有利な区割り、政府系メディアを駆使した選挙PR、選挙期間中の物資の配給など与党が有利になるよう様々な手を駆使していただけに、野党の圧倒的な勝利は驚きを持って迎えられた。