ウメハラが2020CPT(カプコンプロツアー)アジア東予選大会に優勝した直後、プロゲーマー界隈でにわかに騒がれたことがある。 対戦中に何度か見られた、差し返しだ。 差し返しとは、相手のキャラクターが攻撃を打ったのを見て、何らかの技を反撃として入れることを指す、格闘ゲーム用語である。 お互いがこれを狙い合っている状況を、差し合いとも呼ぶ。 通常技を空振った後のスキに技を入れる。 要するに、相手が押したボタンに対応してこちらもボタンを押しているだけ。 正直かなり地味だ。 スト3で全段ブロッキングから最大反撃を入れた『背水の逆転劇』や、「小足見てから昇龍よゆうでした」の都市伝説にもなったウメ昇龍のような、派手さはない。 だが何故かこの差し返しに、ゲーマーたちが沸き立ち、食いついた。 例えば、大パンチを遠くでぶんぶん振り回している相手に近づいて、そのスキに大足払いをこちらが反撃で入れる。これが差し