3月11日に起きた東日本大震災、そしてそれに引き続く福島第1原子力発電所の事故は、我が国経済に深刻な打撃を与えた。今後の日本の経済政策のあり方にも大きな影響を与えるのは必至であり、既に経済学者、エコノミスト、その他の有識者により様々な議論がなされている。 しかしながら、現在見かける議論の中には、経済学の観点から首をかしげたくなる主張もある。我が国においては、そうした経済学的に怪しげな議論が政治的に支持されて、現実の政策に反映され、悲惨な結末を招いてしまうことも多い(これは、多くの先進国でも見られる現象である。経済政策に関心を持たれる方は、ポール・クルーグマンが米国における怪しい経済学の盛衰を描いた『経済政策を売り歩く人々―エコノミストのセンスとナンセンス』(ちくま学芸文庫)を読むことをぜひ勧めたい。現在、我が国で怪しい経済政策を主張する論者達と同様の政策プロモーター達が、米国にもいたことが
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