『学校の先生が国を潰す』。おだやかならぬ題名の本が、送られてきた。著者の一止羊大(いちとめ・よしひろ)さん(66)=ペンネーム=は、大阪府下の公立学校の元校長だ。学校での国旗、国歌の指導の実態を知ってもらいたいと、自ら印刷した。題名には、学校の先生こそ、日本人から矜持(きょうじ)と誇りを奪った張本人ではないか、との思いを込めたという。 ▼平成10年4月に着任した学校では、最初の職員会議からして異様だった。新任の校長を差し置いて、「議長」が冒頭にあいさつをして、審議に入った。入学式、卒業式で、国旗の掲揚、国歌の斉唱がないこともわかった。職員会議の多数決で決まった、というのだ。ここから、一止さんと教職員組合との壮絶なバトルが始まる。 ▼会議、校長室、自宅にかかってくる電話で、議論が続く。一止さんを誹謗(ひぼう)する文書が「ニュース」として、定期的に全教員に配布される。保護者にも、国旗、国歌に反