ブックマーク / fumieval.hatenablog.com (6)

  • 「名前の束縛」という名の束縛 - モナドとわたしとコモナド

    実用的なプログラミングにおいて、名前と概念を結びつける「束縛」はほぼ必須の概念である。しかし、その言葉には大きな誤解と混乱が根付いていた。 事の発端となったのは「Haskellにおいては、変数は値を代入するものではなく、値に束縛するものである」という議論である*1 *2。しかし、これは大きな誤解を孕んでいる。言葉の定義に立ち返ってその誤解を解いていこう。 束縛とバインディング 実は「束縛」には二つの意味がある。一つは、数学的な意味での変数の束縛*3、もう一つは、識別子と実体の結合という意味での束縛*4だ。 前者は変数の導入と言い換えることもできる。ラムダ計算におけるラムダ抽象と変数の関係もこれである。重要なのは、これはあくまで変数とそれを導入する抽象の関係であり、変数と実体の関係ではないことだ。 「AをBに束縛する」と言った場合後者で、プログラミングの文脈ではこちらを耳にすることが多いだろ

    「名前の束縛」という名の束縛 - モナドとわたしとコモナド
  • 就職しました - モナドとわたしとコモナド

    日、Tsuru Capitalのポジションを得ました。 Tsuru Capitalはデリバティブの取引を行っている企業で、自動株取引の会社ではありません。取引に関わっている10人のメンバーのうち、創始者であるSimonを除く全員がHaskellerで、取引状況の分析や一部の取引の自動化など、あらゆるところにHaskellを使っているのが大きな特徴です。日では数少ない、Haskellをメインに使っている企業の一つでもあります。 東京、シンガポール、バンクーバーにオフィスがあり、東京には私を含む5人の開発者と事務担当、Simonと愛犬テトがいます。 オフィスはオランダヒルズ森タワーRoPにあります。設備が非常に充実しており、東京に引っ越すまではオフィスに週数度の頻度で泊まっていました。風呂上がりにジンジャエールをラッパ飲みしながらサーバールームの熱風で体を乾かすと、すごく気持ちが良いです。

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  • 関数型プログラミングとオブジェクト指向の抜き差し可能な関係について整理して考える - モナドとわたしとコモナド

    Googleで適当に検索すると とズラリと出てくる。 オブジェクト指向 v.s. 関数型プログラミング 関数型とオブジェクト指向という一見相反するプログラミングパラダイムの併用について理解した プログラマが知るべき97のこと/関数型プログラミングを学ぶことの重要性 新人プログラマに知っておいてもらいたい人類がオブジェクト指向を手に入れるまでの軌跡 関数型プログラミングとオブジェクト指向の抜き差しならない関係について整理して考える とそれなりに参考になりそうな情報はあるものの、無駄に複雑化されたオブジェクト指向をストローマンにするような記事ばかり(それだけ今までのオブジェクト指向にみんなうんざりさせられているのだろう)で、そろそろきちんと自分自身「関数型プログラミングとオブジェクト指向の切り離され方」についてはっきりさせておきたい、と考え、概念整理した結論を書きます。 まず端的な結論 結論を

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  • モナドとはモナドである - モナドとわたしとコモナド

    この記事を読む前に、絶対に理解出来ないモナドチュートリアルに一度目を通してみてほしい。モナドを理解していく上で、とても重要なことが書かれている。 改めて言おう、モナドはモナドだ。コンテナだとかプログラマブルセミコロンだという説明では、モナドのすべてを正確に表せるとは言い難い。では、モナドを過不足なく説明できる、モナド以外の言葉はあるのか? 実は、モナドを表現し、かつモナドで表現される言葉は存在する。その一つは手続きである。手続き型言語の「手続き」だ。 手続きとは何か 手続きは結果を持つ おおよそすべての手続きは何らかの結果を持つ。Haskellの()、C言語のvoid、PythonのNone、Rubyのnilなども結果の一種だ。結果が出ないとしたら、そのプログラムは停止しないか、途中で異常終了するだろう。 手続きには最小単位が存在する 処理系が扱っている以上、手続きが際限なく分解できるとい

    モナドとはモナドである - モナドとわたしとコモナド
  • モナドの六つの系統[Functor x Functor] - モナドとわたしとコモナド

    モナドは「アクション」を表す抽象的な構造である。モナドは、Haskellにさまざまな概念に対する記述能力をもたらす。 モナドの基礎 return :: a -> m a: 純粋な値をモナドで包む。 m >>= f :: m a -> (a -> m b) -> m b: モナドmに包まれた値をfに渡し、その結果として現れたモナドを結合する。 固有アクション: それぞれのモナドに固有の方法でモナドを生み出す。 実行: モナドに包まれた値を、より根源的な形に還元する。 モナド則 モナドに以下の三つの制約を課すことによって、最低限度の記述能力を保証している。 return a >>= k == k a m >>= return == m m >>= (\x -> k x >>= h) == (m >>= k) >>= h より強い制約は、より強い力を生み出す。 モナドの分類 モナドは、以下の6つ

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  • 単純で頑強なメッセージングシステム、franz - モナドとわたしとコモナド

    Haskell製の新しいメッセージングシステムfranz(フランツ)の紹介。 github.com 背景 取引所にあるマシンで取引プログラムを実行するのが我々の仕事だが、朝8時に起動したらあとは昼寝したり酒を飲んだりというわけにはいかない。モニタリングしたり、分析のためにデータを残しておく必要がある。そのため、プログラムによって解析しやすい形でログを出力する。 今までは複数の種類のレコードをシリアライズし、一つのファイルに連結させる独自のフォーマットを10年近く使っていたが、書いていて恥ずかしくなるような多数の問題を抱えていた。 柔軟性が乏しい: 32bit整数や文字列などの単純な値しか格納できず、例えばレコードを含むレコードなどを表現できない。その結果、複雑なデータは一旦文字列に変換するような運用がされており、そのプリティプリンタやパーサは十分にテストされていない。 コードがまとまってい

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