ブックマーク / nakaii.hatenablog.com (3)

  • AIが翻訳の不可能性に気付く日 - 翻訳論その他

    中央公論4月号で人工知能研究者の松尾豊氏が「ほんやくコンニャク」は「夢物語ではない」と書いている。「研究自体は5年〜10年で一定のメドがつき、10年〜15年後には実用化できるかもしれない」。じつは今から10年前、リアルタイム自動翻訳は「あと5年で実現できる」はずだった*1。有望そうな技術が出てきたら、逆に未来が遠退いたというのが興味深い。翻訳の難しさに対する理解が進んだ証拠だろうか。 いま、人工知能が抽象概念を獲得することができるようになり、言語をも獲得できるようになりつつある。つまり、我々日人を苦しめてきた言語の壁が取っ払われる可能性が出てきているのだ。 (松尾豊「AIが完全自動翻訳を実現する日――言語の壁がなくなったときあなたは世界で闘えるか」中央公論2016年4月号) 「概念の獲得」「言語の獲得」と、「言語の壁が取っ払われる可能性」がどう結びつくのか、これだけではよくわからない。そ

    AIが翻訳の不可能性に気付く日 - 翻訳論その他
  • やはり「た」は「過去形」ではない――藤井貞和『日本語と時間』、熊倉千之『日本人の表現力と個性』、そしてトマス・ハリス『羊たちの沈黙』 - 翻訳論その他

    今から十年以上前、妊娠を機に会社を辞め、二人でフランスを一か月ほど旅行した。ニースを拠点にコートダジュールの観光名所をいくつか巡り、アルル、アヴィニョン、リヨンと北上し、最後の十日間ほど、パリで過ごした。一か月はあっという間だった。 帰国の前日、飛行機の中で読むを探すため、フォーラム・デ・アールのフナックに寄った。ミステリの文庫の棚に『Le silence des agneaux』があるのを見つけた。トマス・ハリスの小説『The silence of the lambs(羊たちの沈黙)』の仏語訳である。 この小説は、日語訳で一度読んだことがあったし、映画も観ている。だから途中で知らない言い回しや単語が出てきても、筋を追えなくなる心配はない。それでこれに決めた。 機中、読み始めてすぐ、ぎょっとなった。 Le département des Sciences du comporteme

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  • 「彼女は悲しい」は「she makes me sad」か? - 翻訳論その他

    これは後追いで知ったのだが、数日前、「Language learning influencer」を名乗るある人物のツイートが日語学習者界隈をざわつかせた。SNS上では、その人の発言を肴に熱い議論が交わされており、なかにはずいぶん感情的なやりとりも見える。議論は匿名掲示板4chan、Reddit)の方にも飛び火していて、とても全部を追うことはできない。英語が苦手なので、発言のニュアンス等、よくわからない部分もあるけれど、なかなか面白かった。 発端となったのは、gambsさんという方の次のツイートだと思われる。 Going to blow the minds of every Japanese learner right now pic.twitter.com/PUiZ9fNGLA — gambs, king of incelweabootwt (@gambsVNs) 2022年2月14日

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