ブックマーク / nhiroki.jp (15)

  • Go-to person(頼りになる人)

    何か相談事があるときに真っ先に話をしに行く相手のことを go-to person と呼ぶ。要するに「頼りになる人」のことである。記事ではミドルレベルのソフトウェアエンジニアgo-to person として頼りにされるためにはどう振る舞えばよいか私見を紹介する。職種や立場が違えば目指すべき go-to person のあり方もまた違ったものになることはご留意ください。 Go-to person の役割 Go-to person は相談者が抱える課題を分解・整理するのを手伝い、自身の知識や経験に基づいた適切なアドバイスを提供する。相談者は go-to person と話すことで暗中模索する時間を節約し、最終的な判断に自信を持つことができる。シニアソフトウェアエンジニアやテックリードになる要件として、何らかの分野で go-to person として認知されていることを求めている場合も多いだ

    Go-to person(頼りになる人)
  • 気になることはさっさと手をつけてみる

    興味があってやってみたいことはさっさと手をつけてみるべきという話。 「今は忙しいしやり始めたとしてもきっと中途半端になるから暇になったらやろう」なんて言っていると、気づいた頃には「やりたいことリスト」は管理できないほど膨れ上がり、どれから手を付けたらいいか分からなくなっていたりする。「やりたいことリスト」は「やれていないことリスト」に姿を変え、まるで怠惰な自分を映す鏡のようになる。そんな自分から目をそらすようにリストをそっと閉じ、気分転換に SNS を開いてみる。どこかの誰かが面白そうなことをやっている様子が次々と流れてくる。「自分も時間があればやれるのに・・・」なんて境遇を呪いながらさらに気分が落ち込んでいく。 時間がなくて全力で取り組めないのは当のことだししょうがない。でも「中途半端になるかも?」なんて始める前から気にする必要はない。たいていのモノゴトはほんのちょっと体験すれば「ふー

  • Design Docs への思い

    Message Passing での話題を契機に、色々な人が自身の Design Docs 観を共有していて、とても興味深く読ませてもらいました。普段「仕事を進める上で当たり前に必要なもの」として書いている自分に気づき、これを機に自分の Design Docs 観も言語化してみようと思ったのが記事です。実践の一例を付け加えることが狙いであり、「Design Docs はかくあるべき」と主張するものではないです。 はじめに 「人によって思い浮かべる Design Docs 観が全然違う!多様で面白い!!」というのが話の出発点ですが、さすがに想定しているものが違いすぎると話が発散してしまうので、記事では Design Docs を「ソフトウェアエンジニア (私) が何らかのプロジェクトやタスクを進める上で書く文書」としておきます。 次に私の立場を明確にしておきます。私はオープンソースのウェ

    Design Docs への思い
  • 論文|snmalloc: A Message Passing Allocator (ISMM 2019)

    「snmalloc: A Message Passing Allocator」という論文を読んだのでその紹介です。論文は ISMM (International Symposium on Memory Management) 2019 に採択されており、論文とソースコードは GitHub (microsoft/snmalloc) で公開されています。リポジトリ名から分かる通り、著者の多くが Microsoft Research に所属しています。 免責 読み間違えている可能性があります。正確な情報が欲しい方は必ず論文を読んでください。誤りの指摘や補足、議論などは GitHub Issue や Twitter へお願いします。 更新履歴 2019/07/08 bump pointer と free list の next entry pointer を判定する方法について追記 2019/0

    論文|snmalloc: A Message Passing Allocator (ISMM 2019)
  • 新卒のソフトウェアエンジニアになるまで

    流れに便乗して私がソフトウェアエンジニアになるまでにやってきたことを書いてみます。学生を想定読者にしています。進路を考える時の参考になると嬉しいです。 私は修士一年の 2010 年に Google Japan の Chrome OS チームでインターンし、 2012 年に新卒のソフトウェアエンジニアとして入社しました。現在は東京オフィスの Chrome ブラウザの開発チームにいます。インターン中や入社後の仕事については以前「就職して 6 年過ぎた」という記事に書いたのでそちらも是非見てください。 記事では学生時代に何を学び、それがどのように現在へと繋がっていったのか紹介します。ソフトウェアエンジニアとしての能力や経験をどのように磨いてきたかが中心です。面接を含む Google 固有の話題は他の記事で十分語られているのであまり書きません。 長文です。結論だけ読みたい人は『最後に』を読んでく

    新卒のソフトウェアエンジニアになるまで
  • 論文|MESH: Compacting Memory Management for C/C++ Applications (PLDI 2019)

    「MESH: Compacting Memory Management for C/C++ Applications」という論文を読んだのでその紹介です。arXiv.org で公開されています。PLDI 2019 で採択されている論文のドラフトだそうです。私は v2 を読みました。ソースコードが GitHub (plasma-umass/Mesh) で公開されています。 免責 読み間違えている可能性があります。正確な情報が欲しい方は必ず論文を読んでください。誤りの指摘や補足、議論などは GitHub Issue や Twitter へお願いします。 読んだ動機 C/C++ でリロケーションせずにコンパクションを行う手法に興味があった。 Speedmetor 2.0 benchmark を走らせた Firefox でメモリ消費量が減ったと報告されており、ブラウザ開発者として気になった。 Ch

    論文|MESH: Compacting Memory Management for C/C++ Applications (PLDI 2019)
  • 日々の進捗の出し方

    私は「何かを習慣化してやり続けてそこそこのレベルまで持っていく」のがわりと得意な方だと思っています。記事はその辺りのことを言語化してみようという試みです。 大体いつも二つのことを意識しています。一つは「毎日前に進む」、もう一つは「当たり前のレベルを上げる」です。 毎日前に進む 身も蓋もない話ですが、やらないと進捗は出ません。一方、少しでもやり続けていればいつか絶対にゴールに到達できるはずです。眠くても疲れていても毎日ちょっとずつ前に進むべきです1。ここで大事なのは「量はどうでもいい」ということです。「毎日やり続ける」ことが重要で「毎日 15 ページを読む」のように決まった分量をこなすことをルールにしてはいけません。破綻します。 さて「いつか絶対にゴールに到達できるはず」と言いましたが、ゴールがあやふやだといつまでも到達できません。ゴールは到達判定可能で少しずつ近づけるものにし、進捗もざ

    日々の進捗の出し方
  • ウェブブラウザの off-the-main-thread API の話

    ウェブブラウザにおいてメインスレッドはとても重要なリソースです。なるべくメインスレッドを使える状態にしておくことが滑らかな UI/UX を実現する上で重要になります。しかし、実際には多くの処理が実装上の理由やブラウザ仕様の不足によりメインスレッドでしか動かせないため、メインスレッドは忙しくなりがちです。特にページロード時は JavaScript の実行やリソース読み込みなどでとても忙しくなります。 とあるページの perf プロファイル。メインスレッドでせわしなく処理が行われている様子が分かる。 これを解消するために、ブラウザの処理をメインスレッド以外 (off-the-main-thread) でも実行できるようにする試みが行われています。 1. Off-the-main-thread とは メインスレッド以外のスレッドに処理を委譲することを off-the-main-thread と呼

    ウェブブラウザの off-the-main-thread API の話
  • 就職して 6 年過ぎた

    新卒のソフトウェアエンジニアとして Google に入社して丸 6 年が過ぎました。「若者は 3 年で辞める」という話があるけど、その二倍も働いていることになります。当時の気持ちを忘れないうちに今までの振り返りをしてみようと思います。 (2019/04/04 追記) 入社までの話を「新卒のソフトウェアエンジニアになるまで」という記事に書きました。 なお、すべて個人的な体験談であって会社の見解等を表しているわけではありません。 きっかけ Google を意識したきっかけは大学一年生の頃に読んだ梅田望夫さんの『ウェブ進化論』でした。多分同世代の多くの人がこのに影響を受けたんじゃないかと思います。私も「これからネットの世界はどんどん変わっていくんだ!」と興奮し、その中心的な会社だった Google に憧れを持ったことを覚えています1 。 直接的なきっかけは修士一年生の頃。そろそろ就活に向けて動

    就職して 6 年過ぎた
  • JavaScript のスレッド並列実行環境

    これは Chromium Browser アドベントカレンダーの十日目の記事です。記事では Chromium における JavaScript のスレッド並列実行環境について仕様・実装・API の面から包括的に紹介します。ブラウザの内部実装に興味がある人を対象に、各機能の使い方ではなく実行モデルに焦点を当てて説明しているため、難易度は高いです。使い方を知りたい人は MDN などの記事を読んでください。この記事をきっかけに実装解読に挑戦してみる人が一人でも増えると幸いです。 記事を書くにあたり、yuki3 さんに多くのコメントをいただき、議論に付き合っていただきました。ありがとうございました。なお、文責はすべて私 (nhiroki) にあります。誤りや補足、質問などは気軽に GitHub Issue もしくは Twitter へお寄せください。 更新履歴 2018/01/15 Layout

    JavaScript のスレッド並列実行環境
  • Chromium のソースコードの歩き方

    これは Chromium Browser アドベントカレンダーの一日目の記事です。初日ということで、記事では Chromium のソースコードを読む上で役に立つであろう、プロジェクトのディレクトリ構成やファイル構成を紹介します。 (2018/04/09) “The Great Blink mv”1 プロジェクトによってついに WebKit ディレクトリが blink ディレクトリにリネームされました。それに伴い記事の内容を更新しました。差分は以下の通りです。 third_party/WebKit/Source を third_party/blink/renderer に置換。 blink/ 内のファイル名の命名規約を Bar.{cpp,h} から bar.{cc,h} に置換。 置換に伴う説明文の修正。 (2017/12/01) ディレクトリ構成について追記しました。 Chromium

    Chromium のソースコードの歩き方
  • ウェブの進化とウェブブラウザ開発の最前線

    学部 3, 4 年生向けの特別講義で『ウェブの進化とウェブブラウザ開発の最前線』というタイトルで話をしてきました。 ウェブの進化の歴史を知ることで現在のトレンドについて理解し、またウェブブラウザというグローバルで大規模なソフトウェアの開発の一端を垣間見ることで、ウェブやウェブブラウザの開発に少しでも興味を持ってくれたら良いなぁという気持ちで話をしてきました。 なお歴史観については私の事実誤認も含まれると思うので、間違いを見つけたら教えて下さい :-) 追記 (随時) たくさんの反応を頂きありがとうございます!次回同じような資料を作るときの参考にできるよう、ここにメモしていきます。ウェブは無限に話せる話題があって楽しいですね! ウェブ以前のハイパーテキストの歴史も取り入れるべきでは? ありがとうございます!おっしゃるとおりで、ウェブの進化史と言いつつウェブが公開されてからの話しかしていないの

    ウェブの進化とウェブブラウザ開発の最前線
  • チームにいると頼りになるソフトウェアエンジニア

    チームにいると頼りになるソフトウェアエンジニアのメモです。自分のロールモデルでもあります。私のキャリアはほぼウェブブラウザ開発一筋なので、その辺に生息している人たちを思い浮かべながら書いてます。思いついたら随時更新します。 コードマニア コードやドキュメントを読むのが好きで、暇があれば適当なレビューに飛び入り参加したり、自分のプロジェクトとは関係ないコンポーネントもひたすら探検している。不穏なコードを見つけるとなんとリファクタリングもしてくれる。コードサーチがお友達。 やたらコードに詳しいので、何か分からないときはとりあえず聞きに行く。チームに一人いるとレビューが捗るし、コードベースも綺麗になる。コードマニアはコードベースを広く熟知している上に未知のコードに対する耐性も高いので、プロジェクトを移動してもすぐに活躍できる。 コードマニアの亜種にスペックマニアもいる。こちらはウェブやネットワー

    チームにいると頼りになるソフトウェアエンジニア
  • リソースの読み込みを助けるウェブブラウザ API の世界

    ウェブブラウザはネットワークから様々なリソースを集め、それらを処理して組み合わせてウェブページをレンダリングします。リソースが揃わないとレンダリングできないので、この一連の処理のどこかが遅れるとページの表示も遅くなります。レンダリングをすみやかに開始できるようにウェブブラウザはリソースの取得やその処理を最適化するための API を提供しています。記事ではそれらを網羅的に紹介し、ウェブアプリの性能改善を図る上でどのようなブラウザ機能が使えるのかを知ってもらうことを目的としています。各機能の具体的な適用事例については他の記事に委ねます。 記事の内容は記事公開時点での情報に基づいており、閲覧時点では既に古くなっている可能性があります。最新の正確な情報は一次情報源を参照してください。また特定のブラウザ実装について言及する場合は、断りがない限り Chrome を想定しています。誤りや補足、質問な

    リソースの読み込みを助けるウェブブラウザ API の世界
  • 設計に悩みすぎる前に手を動かしてみる話

    私がソフトウェア開発において心がけていることの一つに「設計に悩み始めたらとりあえず手を動かす」というものがあります。今まで深く考えずにそう心がけていましたが、この記事で自分がなぜそうしているのか整理して言語化してみたいと思います。 話のスコープ ここでいう「手を動かす」とは「コードを書く」ことです。設計と聞いて人によって思い浮かべるものが違いますが、ここでは「一人のソフトウェアエンジニアが四半期程度かけて開発する規模の機能の設計」を想定しています。何人ものソフトウェアエンジニアが長期に渡って行うような大規模開発には当てはまらないです。 題 次のような経験はないでしょうか? 設計を考えながらデザインドキュメントを書いていたら細部の粗が見えてきて無限に悩み続けてしまった。考えなきゃいけないことがどんどん膨らんでいって、いつまでも実装に手を付けられなかった。 これに対して私は「設計に悩み始めた

    設計に悩みすぎる前に手を動かしてみる話
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