盛岡市にある食品加工会社、兼平製麺所は2007年4月、近年の原油高騰を受けて、木屑焚ボイラーを導入した。燃料の木くずは、隣接する製材所から端材や建築廃材チップを安価に調達している。スクリュー式小型蒸気発電機も導入し、工場内の電力の一部をまかなうようになった。 地元金融機関によるリースで、月々の返済は従来の重油焚ボイラーのランニングコストを下回る額で済んでいる。同社の兼平賀章専務は、「近いうちに2台目も導入する。地域貢献のためにも林地残材を利用したい」と語る。 コスト増を避けながら、木くずをエネルギーとして効率的に利用する。経済と環境を両立させた再生可能エネルギー利用法の好例といえるだろう。 世界のエネルギー需要の1割をまかなう 原発事故や固定価格全量買い取り制度(FIT)の施行を間近にして、再生可能エネルギーについての議論が活発に行われている。日本で再生可能エネルギーと言えば、長らく太陽光