前回は世界で勝ち続けるトヨタ、その秘密を解説した。(前回の記事はこちら) 今回は日本がこのまま凋落しないために何をどうすればいいか、提示する――。 シャープのように凋落している 結局、日本全体がシャープ化しては困るわけである。このまま何も手を打たなければ、日本全体がシャープ化していくことははっきりしている。 シャープは、トヨタ生産方式も十分にできていなかった上に、まともな商品開発・製品開発の仕組みを持っていなかった。かつてシャープは同社よりも進んだ国内メーカーのリバース・エンジニアリング(編集部注:模倣的製造)をしている三流メーカーだった。 液晶で技術的な革新があったにしても、あったのは技術だけである。技術だけ、設備だけでは勝てない。技術があるから、設備があるからというボトムアップ的な思考では、商品性や商品価値につなげられず、富を生み出すこともできず、企業競争では勝てなくなった。技術も設備