剣には「見切り」の極意があるという。相手の剣先と自分との距離、すなわち間合いを見極めることが狭義の意味だが、転じて「必要最小限の動きで攻撃をかわし体勢を整える」ことにある。わかりにくければ、マンガ「あしたのジョー」に登場する最後の強敵、ホセ・メンドーサを思い出してほしい。一種の見切りをマスターしたボクサーとして描かれ、主人公ジョーのパンチを軽くいなしている彼のことをだ。 PCの世界にも、見切りは存在する。コーディングを必要最小限の分量で済ませたり、デスクトップを常に整然としておいたり、必要最小限の動きで目的を達成する、そう、面倒さを排除することこそがPC界における見切りの美学なのだ。 というわけで「Google Quick Search Box」。両手は常に定位置で指先はホームポジション、マウスはいらぬ、いらぬのだという漢(オトコ)のためのツール……ではないが、そのような使い方を好むユーザ