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ブックマーク / ikedanobuo.livedoor.biz (5)

  • アナーキー・国家・ユートピア : 池田信夫 blog

    2024年03月14日19:46 カテゴリ アナーキー・国家・ユートピア 国民負担率が50%に近づいて「大きな政府」への不満が高まっているが、1970年代にアメリカ経済がインフレと財政赤字でボロボロになったとき、ケインズ的な福祉国家への批判として出てきたのが、「小さな政府」を掲げたリバタリアンだった。 1974年に出た書は、ロールズの『正義論』への批判として書かれ、その後のレーガン政権の新保守主義の支柱ともなった。その特徴はロールズの「無知のヴェール」にならって、思考実験で人々の安全を守るために最小限必要な制度とは何かを考えたことだ。 個人が集まって生活するとき、生命や財産を守るための組織としての保護組合(protective association)が必要になるが、複数の保護組合が衝突すると、暴力的な紛争が日常化する。それを防ぐために、一定の地域内で公権力が暴力を独占し、他の保護組合

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  • 国家資本主義の呪縛 : 池田信夫 blog

    2010年06月20日09:04 カテゴリ経済 国家資主義の呪縛 政府の「新成長戦略」をみると、依然として「環境産業や健康産業で成長する」という類のターゲティング政策が並んでいる。このように政府がビジョンを打ち出して民間を指導する国家資主義は、先進国ではとっくに終わっているのに、今ごろ「よい公共事業」という形で墓場からよみがえるのは困ったものだ。書は世界の国家資主義を概観したもので、その中心はもちろん中国である。 健全な民主主義が機能している国では健全な資主義が発達するが、その逆は必ずしも真ではない。かつての韓国台湾のように、民主主義がなくても「開発独裁」によって成長することができる。目的が明確で資の足りない後発国で「追いつき型近代化」を急速に進めるには、国家資主義で戦略産業に資を集中することが効率的である。 中国ロシアは、かつては軍事的脅威だったが、今は経済的脅威で

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  • ITはもう成長産業じゃないのか : 池田信夫 blog

    2010年06月16日18:19 カテゴリIT ITはもう成長産業じゃないのか 日銀の奇妙な「金融ターゲティング政策」が話題を呼んでいる。日銀自身が「奇手」と呼んで2年間の時限措置にしているように、彼ら自身もその効果を信じていない節がある。インフレ目標の意味も知らない政治家がうるさいので、「そんなにいうなら金をばらまいてやる」という牽制かもしれない。 それはさておき、ここに列挙された成長分野18項目には、「環境」とか「医療」とか民主党政権に迎合したような項目が並んでいるが、「情報通信」がない。かろうじて「コンテンツ・クリエイティブ事業」があるが、これはGDPの3%程度のすきま産業で、成長率も年1%ぐらいだ。10年前には政府が「IT戦略部」を作ったほどの力の入れようだったのだが、情報通信はもう成長産業じゃないんだろうか? ITが成長率に貢献しないという問題は、ソローのパラドックスとしてよく

    ITはもう成長産業じゃないのか : 池田信夫 blog
  • 負の産業構造ビジョン : 池田信夫 blog

    2010年03月06日13:51 カテゴリ経済 負の産業構造ビジョン 経産省の産業構造ビジョンの報告書が、あちこちで話題になっている。昔、産業構造審議会の下請けをやった私としては「まだあんなことやってるの?」という感じだが、これを「裏読み」してみると、なかなか興味深い。 多くの人が評価するように、40ページまでの現状分析は、常識的だがよく書けている。特に日経済の停滞という定性的な問題を官庁の統計で分析するテクニックは大したもので、ブログのネタにも使える。たとえば「日の労働分配率は諸外国より高いので、所得再分配よりパイの拡大が大事」(p.7)とか、「グローバル企業とそれ以外の業種の一人当たり付加価値額が乖離しているので、ドメスティック企業の付加価値を高めることが鍵」(p.17)といった問題は当ブログでも論じたが、霞ヶ関も同じ認識のようだ。 問題は、そこからである。日の事業コスト(特に法

    負の産業構造ビジョン : 池田信夫 blog
  • コンテンツ産業の「25%ルール」 : 池田信夫 blog

    2010年02月13日11:53 カテゴリITメディア コンテンツ産業の「25%ルール」 私もいろいろな「コンテンツ産業」にかかわったが、この分野のいろいろな業界に共通している暗黙のルールがある。それはクリエイターには売り上げの25%しか還元されないというルールだ。出版の場合には、小売:20% 取次:10% 印刷・製:35% 出版社:25% 著者:10%出版社の取る「仕切り」は会社によって違い、これは大手の場合だ。新しい会社が参入するのは事実上禁止だが、幽霊会社を買収して参入しても、小売と取次に半分近く取られるので、印税や印刷代を払うと出版社には10%ぐらいしか残らない。しかも返品リスクも版元が負うので、出版社はハイリスク・ローリターンのビジネスだ。 映画の場合は、映画館:50% 配給元:25% プロダクション:25%だからほとんどの映画は赤字で、DVDやタイアップなどで辛うじてトントン

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