「もうオフィスは要らないかもしれない。少なくとも会議室で会議をするスタイルはなくしたい。会議室は解体して、個室を増やそうかな」 新型コロナウイルスに伴う最初の緊急事態宣言の全面解除から約1カ月。サイボウズは出社かリモートかの判断を社員に任せているが、この時点で出社している社員は1割以下。代表取締役社長の青野慶久は、がらんとしたオフィスを見回してこう答えた。 100人いれば100通りの働き方がある──。サイボウズはその理念に基づき、コロナの以前から働き方を本人に任せていた。リモート勤務していた社員は約3割。出社しない社員のため、オンライン会議も導入済みだ。今回慌ててリモート環境を整えた企業と比べると何歩も先を進んでいるが、ほぼ全員がリモートに移行して新たに見えてきた景色もある。 「以前は対面の参加者とオンラインの参加者が混じっていたため、出席者に情報格差が生まれていました。全員がオンラインに