著作権に関する判決をまとめた専門雑誌の編集に加わった大学教授が「雑誌の改訂にあたって名前を外されたのは著作権の侵害だ」と訴えた仮処分で、知的財産高等裁判所は「助言する立場にとどまり著作権はない」として、出版の差し止めを認めた決定を取り消し、申し立てを退けました。 東京地方裁判所は去年、「改訂版は教授による編集の内容が相当程度盛り込まれている」として、著作権の侵害を理由に出版の差し止めを命じる異例の決定を出しました。 これに対して有斐閣側が抗告し、知的財産高等裁判所の鶴岡稔彦裁判長は「改訂前の雑誌で教授は『編者』の1人だったが、実質的には助言する立場にとどまっていて、著作権はない」として、出版の差し止めを命じた決定を取り消し、申し立てを退けました。 有斐閣によりますと、改訂版は去年出版する予定で延期していましたが、11日の決定を受けて「出版についてはこれから検討したい」としています。