甲子園に届かず敗れ、この時期、改めて進路を検討し直す高校生も多いのではないか。 あれだけ「高卒、即プロ」を強調していた済美の安楽智大でさえ、愛媛大会で散り、白紙撤回をほのめかす発言をしている。 確かに、高校を卒業していきなりプロへ進むよりも、間にワンクッションを置き、そこで力をつけてからという考えの方が賢明に思える。高卒で失敗した場合「潰しが利かない」からだ。 だが高校卒業と同時にプロの世界に飛び込み、結局、花開かずに引退していった選手たちに何度か話を聞いたことがあるのだが、少なくとも彼らが、プロ野球の世界に入る時期が早過ぎたといった類の後悔をしているのを聞いたことがない。 無論、自分の選んだ道を否定したくないという意地もあるだろう。だが、それ以上に、一瞬でも夢を見ることができたという満足感の方が強いように思えるのだ。 「やっぱり、行けるときに行っとかないと」 そう思えるのは、逆のケースは