京セラ発のフィロソフィと部門別採算制度という2大稲盛メソッドを国内外のあらゆる企業・団体が採用している。加速度的にコストが下がり、飛躍的に業績が上がる奇跡の現場に密着。 「通用するはずない、と思いました。モノづくりの経営のシステムが、患者さんを相手にする病院に合うわけがないって」 滋賀県・公立甲賀病院のキャリア20年以上のベテラン看護師長、井原憲子は当時を語った。 当時とは2009年、稲盛和夫が考案したアメーバ経営を病院向けにアレンジした「京セラ式病院原価管理手法(以下、京セラ式)」が同病院に導入されたときのことだ。井原は京セラ式に反発感情のようなものを持ったが、ほどなく、それも消えてなくなった……。 いま、この「病院版アメーバ経営」が注目を浴びている。 アメーバ経営は、主に中小の製造業や上場企業などが導入する経営手法だが、数年前からは医療機関にも「稲盛信者」が登場し始めた。30施設以上が