「開幕から4日間、ずっと会場内を歩き通したけれど、すべての展示内容を見尽くすのは無理だった……」 ドイツのベルリンで開催された鉄道見本市「イノトランス」が9月23日、閉幕した。会場で出会った鉄道エンジニアが思わずこぼした愚痴がその規模の凄さを物語っている。 まさに「世界最大の鉄道業界の展覧会」という枕詞がぴったりのこの催しには、60カ国から2955社が出展。来場者は14万5000人を突破したほか、20カ国以上から視察団が来訪と、主催者のベルリンメッセは「あらゆる統計から見ても、今回は過去最大の規模となった」と誇らしげに語っている。 偶数年に開かれる「イノトランス」という行事が世界の鉄道業界関係者からこれほどまでに注目を浴びるのはなぜだろうか。「メーカー各社が新製品や経営戦略を発表する場」、「最新鋭車両が見られる」など、最先端技術の実物をこの目で確認するのに最適な場所であることには間違いない