今やグルメのブームは、インスタなどのSNSで「映える」ことが必須。そんな昨今の傾向に筆者はやや食傷気味になっている。数多くの飲食店を取材する中で「うまいものは、手を加えなくても美しい」という考え方が根底にあるからだ。 ここ1、2年で名古屋のみならず、東京や大阪にも続々とオープンしている「覚王山フルーツ大福 弁才天」(以下、弁才天)もSNS映えを狙って成功を収めた、いわば一昨年に大流行したタピオカドリンクと同列視していた。 求肥と白あんがフルーツの引き立て役 「弁才天」のフルーツ大福には、専用の餅切り糸が添えられていて、大福に巻きつけて引っ張ると半分に割れる。その断面が美しい、いわゆる“萌え断”であることから、地元のテレビや雑誌はこぞってSNS映えを強調していた。 筆者にとっては、そんなことはどうでもよい。肝心なのは味である。寒い中、行列に並んで買ったブランド苺の大福「紅ほっぺ」を実際に食べ