両親が高校卒業後の教育歴を持たず、自身は高等教育に進学した人々を、高等教育論では「第一世代 First-Generation」と言う。 アメリカにおける実証研究によれば、第一世代の学生は、そうでない学生よりもGPAの成績が低い、中退率が高い、就労しながらパートタイムでの進学する割合が高いことなどが知られている。これらは、親が高等教育経験を持つかどうかで、親が子どもに具体的な助言を行うことや、子ども自分で高等教育に進学することへのイメージを持つ機会に差異が生じることによって、部分的に説明される。 レビューをきちんと行っているわけではないが、日本の高等教育論では、この第一世代の枠組みに基づいた研究はあまり行われていないように思われる。アメリカの高等教育においては、二年制のコミュニティ・カレッジの持つ意味が大きい、パートタイム進学が多いなど、日本とは状況が異なっているので、単純に第一世代の概念を