常に外敵と戦い続けた過酷なベトナムの歩み ベトナムの救国の英雄を軸に、異民族と戦い続けた過酷なベトナムの歴史を追っていきます。後編の今回は、三度のモンゴル軍の侵攻に向かい打ち、これを打ち破ったチャン・フン・ダオの活躍から、清とシャムを打ち破ったグエン・フエの活躍までを見ていきたいと思います。 前編をご覧になりたい方はこちらよりどうぞ。 それではいきます。 5. チャン・フン・ダオ(陳興道) Photo by Xiaoao チャン・トゥ・ドの王位簒奪 李朝ベトナムは216年続きますが、末期には中央政権の力は衰え地方には地場勢力が割拠し、国民は困窮し飢餓が多発するようになりました。 李朝最後の王リ・フエ・トンの娘の女帝昭皇のとき、王宮の臣チャン・トゥ・ド(陳守度)は甥のチャン・カインを昭皇と結婚させて王に就けて実権を握りました。その上でリ・フエ・トンの一族をことごとく殺害し、陳朝ベトナムを開