「そこは自転車道だから危ないわよ」。 フィンランド、ヘルシンキ市内。キアズマ(現代美術館)からホテルへの帰り道、地図をぐるぐる回しながら現在地の確認に躍起になっていると背後から女性が声を掛けてくれた。慌てて一歩下がった目の前を、自転車がものすごいスピードで走り過ぎていく。 その通りは自動車道が片側一車線ずつで中央に路面電車の線路のある、ごく典型的な中規模の街路。石畳の歩道の車道側がアスファルト敷きの自転車専用道路になっている。 当たり前だが、自転車道にボンヤリ立っている人などいない。人、自転車、自動車、路面電車──棲み分けがはっきりしている。駐停車している自動車も車道の端に止めていて、自転車道に乗り上げるようなことはしていない。 ここ数年、こうした自転車専用道路の整備拡充はヨーロッパ、とりわけ北欧諸都市では都市計画の最重要課題になっている。デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、それぞれ進捗
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