『MOTHER』って、大きなフォーマットのうえでは 日本的なRPGの作法に沿ったもので そこはむしろ、特別なものではないと思うんです。 なのに、総合的には、くらべるものがないくらい 個性的なゲームになってますよね。 それは、あのゲームのなかに糸井さんが詰め込んだ、 おもしろいこととか、切ないこととか、 常識はずれなこととか、くだらないこととか、 ぜんぶの遊びが影響していると思うんです。
そうです、そうです。 ぼくは、「Ruby」という オープンソースのプログラムをつくった まつもとゆきひろさんという人に 「オープンソースの秘密」について うかがったことがあるんですけど、 彼がとても興味深いことを言ってたんです。 どういうことかというと、 彼にはまず、つくりたいものがあるんですね。 誰かのために、というのではなく、 「自分はこういうものがつくりたい」と思って ひとりでダーッとつくっていく。 そうすると、自然に適切な大きさの 問題が生まれていくというんですね。 たとえば、自分のつくりたいことが、 この机いっぱいくらいの大きさだとすると、 「この机いっぱいの大きさのものをつくる」 と宣言してつくりはじめるんだけど、 人間ひとりのできることには限界があるから、 まあ、一部分だけしかできない、と。 そうすると、あいつが言ってたのに できてないところがここにあるぞ、とか、 つくったと
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