中島憲一郎教授は、覚せい剤関連化合物の研究に長年従事してきたこの分野の第一人者。2002年に死亡者まで出した、「中国製ダイエット食品」(無承認無許可医薬品)の成分分析も行っている。研究室では、「覚せい剤など乱用薬物の分析」「医薬品の適正使用に関する研究」「脳内神経伝達物質の分析研究」のほかに、「機能性食品の品質評価」も大きなテーマに掲げている。健康食品にも大きな関心を寄せており、これまでにも赤野菜やノニ、冬虫夏草などで分析研究を行なってきた。同氏に健康食品に関心を持ったきっかけや、健康食品の孕む課題、展望について聞いた。 健康食品は健康な「食品」 ――それは癌に対してでしょうか。 中島 私は特定の疾病名を出したくはないのですね。それは体のホメオパシーを維持するのにいいだろうなとはいえます。たいてい民間伝承薬とか、ずっと伝わって使われているものというのは何らかの効果があるから使われてきている