1月20日の夜,テレビのインタビューに応じていた雪印乳業取締役の日和佐信子氏は,今回の不二家の不祥事を「彼らは5年前の雪印の一件から,同じ食品会社として,何も学習していない」と切り捨てるように発言していた。 畑村洋太郎氏(工学院大学教授)は「失敗学」を提唱している。失敗原因を究明して,他に伝え,同じ失敗を繰り返させない。失敗学という存在は,学習するということの大事さを気付かせてくれる。 そうした「失敗から学ぼう」という気運が盛り上がっているいまでも,「学習しない」人々や組織,それと「学習したくない」人々や組織は多数散見される。言ってみれば,それらは向上心を失ってしまった人々あるいは組織である。 筆者が体験した「向上心を失った人々と組織」の事例を解説しよう。前回,ある通信会社のテレマーケティング組織を紹介した。今回取り上げるのは,別の通信会社におけるアウトバウンド型電話セールス組織である。
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