「農林水産省はろくな制度設計すらできないほどボロボロになってしまった」 ある同省キャリアはこう嘆く。新型コロナウイルス対策の「Go Toイート」制度では少額利用が悪用される「錬金術」が問題となったほか、コロナで打撃を受けた農家に農機具や種苗の購入を支援する補助金でも、要件を緩めすぎて募集が殺到し、慌てて要件を厳格化するトラブルが起きた。これらはいわば、江藤拓前農水相の「ゴリ押し」によるツケを払わされているといえる。ゴタゴタの背景を、取材に基づき検証する。 【写真】ドイツに帰って分かった「日本のコロナ感染者数が少ない理由」 「とにかく、カネをばらまくのが一番なんだよ」 江藤氏は農水相を務めていた2020年9月まで、同省幹部に対して、何度もこのような「コロナ対策の大方針」を話していたという。 農水省が所管する「GoToイート」による「錬金術」とは、クーポンの最少額である1000円以下の注文をし