発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第207回目は『A Place for the Unwilling』をピックアップする。本作は主人公が「生きている町」という異色の設定を持つアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは「町」という存在になり、住民たちが営む様々な人生や生活を垣間見ることになる。 プレイヤーの分身となるのはとある寂れた「町」。この「町」は意識を持っており、住民たちを「ぼやけた影」のような姿で日々見ているという。そして町は彼らの名前を聞くことで、はじめて影を「1人の人間」として認識できるようになるそうだ。「町」自身は以下のように自分のことを語っている。 僕は実在している。記念碑や街灯が飾られた寂れた町にしかすぎないけど、それは問題じゃない。僕には体があり、頭も心もある。僕の体のなかで、みんなが