4月12 鎖骨の成長を出生前に一時的に減速させ、難産を緩和 カテゴリ:進化人類学解剖学 進化したヒトは、大きな脳を持ち、また直立化したことで広い肩幅を持つようになった。 大きな脳は、石器製作などの文化を洗練化させ、大きな肩幅は投げ槍を遠くまで投擲できるなどサバンナでの狩猟が容易になった。いずれも、ヒトの生存にとって有利である。 しかし産道を通過する際に、難産の原因となり、進化的には不利であった。胎児の産道をスムーズに通すために、人類は胎児段階ではできるだけ脳を未発達にして、出産後に脳成長の加速を実現させ、脳の大型化を達成させた。また頭蓋も、幼児に見られるように軟骨状態で、産道に負担をかけないようにしている。 しかし肩は、どうしているか。肩幅を決めるのは鎖骨の成長速度だが、京都大の森本直記准教授(自然人類学)らのチームは、出産が近くなると胎児の肩の成長速度が一時的に減少し、出産後には加速に転