アルツハイマー病(AD)における遺伝的危険因子として,ApoEをはじめとする脂質代謝に関わる遺伝子が知られています.これらの遺伝子の多くはグリア細胞で高発現しています.しかしグリア細胞における脂質代謝がADにはたす役割は十分に解明されていません.Nature誌にこの問題をほぼ解明したように思われる論文がスタンフォード大学から発表されました. まずAD患者(ApoE4/E4ないしE3/E3のいずれか)の脳組織を用いてsingle cell RNA sequencingを行い,単一の細胞でどのタンパク質が作られているかを検討しました.この結果,ApoE4/4を持つ患者のミクログリアにおいて,ACSL1 (Acyl-CoA Synthetase Long Chain Family Member 1)の発現が高いことが分かりました(図1cd,図2).このACSL1は遊離脂肪酸からAcyl-CoAを
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