Science誌にアルツハイマー病(AD)研究史において恐らくepoch makingとなる重要な発見が報告されています.ADをはじめとするタウオパチーと総称される20以上もの疾患では,微小管関連タンパク質であるタウが異常リン酸化し,線維化した神経原線維変化(NFT)によって病理学的に定義されます.しかしタウがどのようにして可溶性のモノマーから不溶性の凝集体に変換されるのかはまったく不明でした.まさにこの点が,タウオパチーの病態機序に基づいた根本治療の開発を妨げていました. 米国ペンシルベニア大学の研究者らは,タウオパチーにおけるタウ凝集は年齢に依存して起こることから,タウ凝集を抑制する防御機構が年齢とともに減弱する可能性を考えました.近年,tripartite motif (TRIM)タンパク質が,タンパク質の品質管理(PQC)システムに多面的に関与している可能性が示唆されています.この
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