アルツハイマー病(AD)患者では,頭部MRIでしばしば大脳白質の高信号病変(WMH)を認め,経時的に増加します(図1).この所見を見るたび,ADの進行に伴う神経変性を反映するものなのか,全身性・動脈硬化性の血管病変を反映するものなのか(いわゆる混合型認知症なのか)気になっていました. (AD患者における大脳白質高信号病変は経時的に増加する(上段→下段;同一症例).J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2005 Sep;76(9):1286-8より) JAMA Neurol誌に,DIAN研究,ADNI研究,HABS研究から収集した常染色体優性および遅発性アルツハイマー病患者1141人の横断的/縦断的MRIデータ(3960回分)を用いたコホート研究が報告されました. 結果ですが,WMH容積の増加は,脳微小出血(cerebral microbleeds;CMB)を有する人