ネット通販の普及などで、全国で取り扱われた宅配個数は2016年度、40億個の大台を突破した。多忙を極める物流の現場では、効率よく大量の荷物を運べる格子状の台車、通称「カゴ車」が活用されている。しかし、死傷事故も起きており、労働局や専門家は使用上の注意を呼びかけている。【堀和彦】 「もうこんな仕事は辞めて、トラックから降りたい」。千葉県に住む女性(47)は、宅配便大手の協力会社の運転手だった夫(当時51歳)が漏らした言葉を思い出すたび、悔しさがこみ上げてくるという。夫は昨年3月、東京都内の集配センター付近で、カゴ車の下敷きになり、死亡した。 大手通販サイトの荷物を扱うことが多く、その日も飲料水の段ボールがうずたかく積み上がる状態だったという。女性の夫は、荷物が満載のカゴ車をトラックで別の拠点に運ぶ業務を担当。一人で搬入作業をしていたが、何らかの影響でカゴ車のバランスが崩れた。
![カゴ車:宅配急増の裏で労災事故年間1000件以上 | 毎日新聞](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/cbca6b4dfe8223071b30fe5370cb1284aa6c436c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.mainichi.jp%2Fvol1%2F2018%2F08%2F20%2F20180820k0000e050193000p%2F9.jpg%3F1)