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ブックマーク / salon.mainichi-kotoba.jp (4)

  • 「真逆」はなぜ広まったのか(前編)

    「真逆」という言葉は、毎日新聞で確認できる限りでは1998年から見られる歴史の浅い言葉ですが、急速に拡大しました。反発も根強いのですが、なぜこの言葉は昔にはなく、最近広まったのでしょう。前後編で掘り下げて考えます。 9月に出た毎日新聞校閲センター著「校閲記者も迷う日語表現」(毎日新聞出版)は、主にこのサイトの「質問ことば」から厳選して構成されています。今回はその中から「真逆」という語について掘り下げてみます。稿の筆者・岩佐の個人的見解が含まれることをご承知おきください。 定着進むが言い換えを推奨 「真逆=まぎゃく」は2004年の新語・流行語大賞にノミネートされたように歴史の浅い語ですが、一気に広まりました。この「質問ことば」のアンケートでも「使う」が18年に55%、23年に58%と過半数です。「定着した」は18年77%、23年83%と、浸透ぶりが表れています。 23年2月のNHK調査で

  • 「ウラジミール」と「ウラジーミル」 ロシア人名の注意点

    図書館で借りた、19世紀ロシアを代表する文豪の一人、イワン・ツルゲーネフの「はつ恋」。ロシア文学「金の時代」の代表作です。 「はつ恋」(新潮文庫)裏表紙カバー 何気なく目に入った裏表紙の内容紹介には「16歳のウラジミールは……」とあり、チェコ系か何かの人の話だっただろうか、などとぼんやり考えたところで、はっとして中身をめくりました。 「はつ恋」(新潮文庫)文の表記は「ヴラジーミル」。裏表紙と合っていません。出版社のサイトを見てもの紹介文は裏表紙と同じ「ウラジミール」でした。 「ウ」と「ヴ」の違いは日語で表記しがたい音をどう文字にするかの問題で悩ましいところですが、文と裏表紙が合っていないのは気になります。しかしより気になるのが長音記号「ー」の位置です。 英語で綴ればVladimirで、表記に長音の要素があるわけではなく、「ウラジミル」と書かれることもありますが、ロシアではアク

    「ウラジミール」と「ウラジーミル」 ロシア人名の注意点
    thesecret3
    thesecret3 2019/08/26
    Google先生はウラジミール派だな。脳内発音でウラジーミルな気がするけどな。なんとなく。マトリョーシカみたいな。
  • 「初老」は何歳

    回答は40代、50代、60代と少しずつ増え、70代は少数派という結果になりました。出題時の解説で紹介した三省堂国語辞典(7版)が「おもに六十代」としている通り、60代という回答が最多でしたが、40代と50代を合計すると半数以上を占めました。 NHK放送文化研究所が2010年にウェブ上で行った同様のアンケート(→こちら)では平均57歳という結果で、57%の方が60代(「60歳から」と「65歳から」の合計)と回答していました。対して40代は10%、50代は26%。これだけを見ればむしろ8年前よりも今回の結果の方が「初老」の年齢意識は下がっており、単純に上昇し続けるわけではないのかもしれません。 同辞典の「初老」の語釈では「老年に近づいてからだがおとろえかける時期」ともあります。健康寿命こそが大事だと叫ばれ、若々しさや健康を求める傾向が強くなった現代において、逆に自分の体の状態を厳しく判定し、以

    「初老」は何歳
  • 「阿佐ヶ谷駅」か「阿佐ケ谷駅」か

    読めますか? テーマは〈記号のような漢字〉です。凸起答えとっき(正解率 97%)今は普通「突起」と書くが、昔の小説ではけっこう使われていた。昭和初期の小栗虫太郎「夢殿殺人事件」などに用例が見られる。凸は常用漢字。なお6月6日(20... 漢字の字体の違いなどの場合ですと、「この人の名は沢田さん、あの人の名は澤田さんと書く」といったこともありえます(とはいえ、同じ字なので、原則として新聞では「沢」を使うようにしています)。 しかし、記号を記号っぽく小さくして「ヶ」と書くか、見やすいように大きく「ケ」と書くかは、漢字の字体とは違って「人により」「土地により」というわけにはいきません。新聞としては、どちらかに決めるしかないのです。 混在する「ケ」と「ヶ」 例えば、東京都杉並区阿佐谷南(これはケなし)にあるJRの駅。どう表記しているのか見に行きました。車内の電光表示で「阿佐ケ谷」でしたが、細かい字

    「阿佐ヶ谷駅」か「阿佐ケ谷駅」か
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