【ロンドン=板東和正】英議会下院は22日、中国政府による新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害をめぐり、国際法に基づいて行動を起こすよう英政府に促す動議を採択した。ロイター通信などが報じた。動議は、英政府にジェノサイド(民族大量虐殺)の認定を迫るものになる。 英政府は3月、自治区で深刻な人権侵害に関与したとして、中国当局者らに対する制裁を発表した。中国は英下院議員らに対する制裁で対抗措置を取った。今回の動議は、中国の制裁対象となった英与党、保守党議員の1人が提起した。 ただ、動議に拘束力はなく、政府の政策に影響するかどうかは不明。ロイターによると、ジョンソン政権の閣僚らはジェノサイドの認定について、司法の判断に委ねられているとの見解を示している。英メディアによると、在英中国大使館は「中国の内政への乱暴な干渉だ」と強く反発する声明を出した。 英国は議長国を務める6月の先進7カ国首脳会議